Sweet moments ~甘いひと時~
「そうですね。少なからず舞華さんが謝る必要は全くありません。悪いのは場所も考えなかった社長なんですから。」
ため息混じりの井川さんの声が聞こえた。
『私のフィアンセを名前で呼ぶのはやめて頂けますか?』
不機嫌な彼の声と同時に強まる力。
「はぁ?そんなに心が狭いと愛想を尽かされますよ?第一、そのうち彼女も〝前園〟になるのに御苗字で及びするのは可笑しいと思いますが?」
『そうだったとしても非常に不愉快です。』
「今日はもう帰って結構ですからいい加減、、、睨み付けるのはやめてくれませんか?続きは部屋でゆっくりと。」
そういって足音が遠ざかっていく。
慌てて彼を必死に押しのけて、ドアノブに手を掛けていた井川さんに叫んだ。