Sweet moments ~甘いひと時~
口にケーキを運ぶと、一瞬手が止まった。
それから黙々とケーキを食べ続け、支払いを済ませて颯爽とでて行く男性を見て正直その日は少し落ち込んだ。
きっと美味しくなかったんだと。
でも落ち込んだ暗い気持ちも次の日も苺のショートケーキを食べに現れた男性を見て一瞬で飛んで行った。
ケーキを口に含むと、少しだけ上がる口角。
結局、あの日から通い続けてくれているところを見ると苺のショートケーキは男性の口に合ったようで安心した。
それが自信にも繋がった。
それからはこの男性と2人きりな空間に緊張していた初めの頃が嘘のように、今は穏やかな時間を過ごしている。
店内に響く優しい控えめなオルゴール。
何か言葉を交わす訳でもないのに、この時間が、、、この空間が好きだ。
そんな穏やかな気持ちで男性を眺めていると、無機質な電子音が聞こえ男性の眉が密かに動いたのが見えた。