バイバイ☆ダーリン 恋心編  番外編完結しました
それからの優花はテキパキと仕事を熟して、職員とも打ち解けていった。

ちなみに、この学校の職員は皆、優花の事情を知らされているのだが、さすがは教師達、普通と変わらぬ態度で接してくれている。

そんな環境で数ヵ月過ごして来たが、ある時、あのコンビニに買い出しを任された優花は、とぼとぼ5分程の道を歩いていた。

そこへ、あの三流雑誌の記者が、ずっと機会を狙っていたのであろうか、突然優花の腕を掴んできたのだ。

きゃあと叫ぶ優花だったが、あいにく周りには誰もいない。

顔面蒼白になった優花は、どうしようもなく後ずさりする。

するとそこへ、誰かの駈けてくる足音がした。

『あんたまだ諦めてなかったのか?これ以上は警察に言うぞ』

この記者はしつこいようでいて、直ぐ引いていくような輩だが、やり過ぎると訴えられかねないことを知っていて、ギリギリのところでいつも去って行くのだ。

だったらいい加減諦めて欲しいものだが、数年前の優花の評判が悪すぎるので、探っていたら、有名料亭の御曹司とのトラブルだと知れたらしい。

ブルブル震える優花を優しく抱きしめ太田に、ありがとうございますと伝えると、我に返った太田がパッと離れて、ごめんねと頭をかく。

ハハハとお互い照れ臭そうに笑って、太田も一緒にコンビニへ向かった。

《あれ?太田先生、もしや、一人で出た私を心配して来てくれたの?》

何とも言えない不思議な感情が、優花の心を占めていくのだった。
< 134 / 150 >

この作品をシェア

pagetop