バイバイ☆ダーリン 恋心編  番外編完結しました
客間に林葉父子を案内して、悠輝は自分の父母を呼びに行く。

『父さん母さん、理人とおじさんが話があるって、来てるけど。今さっき花音に怪我のことは謝ってくれたけど…』

父親に向かって、悠輝はまだ何か言いたそうにしている。

『何だ悠輝。婚約解消の件は、私達も了承済みだぞ。他に何かあるのか?』

父親が息子に尋ねると、彼はひとつ息を吐いて、じゃあ言わせてもらうと続けた。

『父さん…。理人のこれまでのこと、嵯峨野家として咎めたり問題視したりして来なかっただろう?それは、父さん自身の行動を非難されたくないからなのか?』

思わずウッと詰まる父親が、少々気分を害して言った。

『お前は何が言いたいんだ!』

『言っていいんだな?では言わせてもらおう。これまで父さん…貴方は、何人もの女性関係で、母さんと俺達兄妹を苦しめてきた自覚があるのかどうなのか?一度聞いてみたかったんだ。貴方は理人と同じようなことをしてきたから、今から、花音の婚約解消のことを話すにしても、女性関係で父さん貴方が、理人にとやかく言う資格はないと思うんだ。さあ父さん…どうかな』

『…』

父親はどう返事すべきか、迷っているようだ。

『その件は…後でまた話し合おうじゃないか』

誠意のない父親の言葉に呆れる一方で、花音の件については、悠輝が主に意見して、父親は了解するだけの役割にとどまることとなった。
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