バイバイ☆ダーリン 恋心編  番外編完結しました
週が明けた月曜日、花音は悠輝の介助により、大学に来ていた。

まだ痛みの出ることがあるから、慣れない松葉杖を使用中だ。

その松葉杖姿の彼女を見た学生達は、珍しいモノでも見るかのように、次々とやって来てはどうしたのかとか、全治までどれくらいなのかと聞かれるが、いちいち答えるのが面倒なため、休み時間は人気の少ない講義室を転々としていたが、その隣には、国府宮昴が手伝いのためにいてくれる。

これも悠輝が、昴を花音の世話係に任命したためであるが、実は、彼は役得役得と、内心大変喜んでいる節がある。

一方の花音はと言うと、バスケ部の先輩に妹の世話を押し付けられて、物凄くお気の毒…と思っていた。


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大学に来て気付いたのだが、優花と透子の姿がない。

何時限目になっても姿を現さないので、今日は休んでいるのだろうくらいに考えていた。

突き落とされてまだ数日で、絶対に顔を合わせたくないと思っていた花音にとっては、ちょうど良かった。

それにきっと、週末は警察でコッテリ絞られただろうし、もしかしたら、今日もお灸を据えられているのかも知れない。

ところが、彼女達二人が本日を以て、退学処分となったと言う噂話が拡散しだしたのだ。

事の真相を聞き出そうと、悠輝にメッセージを送ると直ぐに返信があった。

“その噂は事実であり、あの事件を起こした張本人に大学側が処分を下したと言うことだから、お前は動揺することのないように”とのお達しだ。

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