バイバイ☆ダーリン 恋心編 番外編完結しました

理人がこれまで生きてきた21年間で一番無口だったのではないかと、昨日の彼の様子を思い出しながら悠輝が語った。

学内には、これまでの理人のモテモテ状態に嫉妬していた輩も少なからずいて、わざと彼の近くでイヤミを言っていたらしい。


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『ハハハ、お笑いだな。女を取っ替え引っかえしてきた奴が、とうとう捨てられた女達の怨恨と憎悪で身を滅ぼすのか！生き霊？怖え～。まじハンパねえ』

数人の男子学生達が薄ら笑いを浮かべて、理人に聞こえるように話す。


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そんな声を耳にして、理人は無言を通していたが、その顔は強張り青ざめていたと言う。

花音は複雑な心境で聞いていたけれど、不思議な程、同情心は湧いてこない。

それもそうだ、仮にも許婚の花音に対するこれまでの言動は、ひどく礼を欠いたものであったのだから。

なんだか意外にも、理人への恋心が幻だったのではないかと思えるくらい、この数分で花音はスッキリと気持ちを切り替えて、悠輝と会話が出来ていた。

理人を小バカにしていたあの男子学生達が放った暴言は、もしかしたら、花音の心の声だったのかも知れないと、少しだけ後ろめたさを感じた。

『さっきまで泣きそうだったのに、何か憑き物が落ちたようだな！』

悠輝の言う通りだと、花音は笑顔を見せた。