お見合いだけど、恋することからはじめよう

そのあと、後輩くんは渋々ながらも小林ちゃんをメトロの駅まで送っていくことになり、二人でお店を出て行った。

「……ななみん、せっかく来たんだからさ。
奢るから少しは呑んでいけよ。イケる口だろ?」

目黒先輩が目でカウンターの方を促す。

「個室で一緒に呑もう、なんて言わないからさ」

「じゃあ……わたしもこれで退散するわ。
お役目は果たしましたよ、先輩」

千夏がひらりと左手を上げて、反対側の出口に向かって歩き出す。

「おう、世話をかけたな、緑川」

目黒先輩も右手を上げて返す。

「いえいえ、あとは、お若い者同士で……」

まるで、お見合いの常套句のようにそう言って、千夏は高らかに笑いながら去って行った。


……ちょ、ちょっと、待ってよ!?
いったい、どういうこと!?

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