お見合いだけど、恋することからはじめよう

「ところで……ななみん、座ってもいいかな?」

目黒先輩が、恐る恐る訊いてきた。
呼び方が「ななみん」になっていた。

ふと周りを見渡すと、店中の人があたしたちを見ている。カウンターの向こうの金髪のバーテンダーは、肩を震わせて笑いを(こら)えていた。

……あぁ、またやってしまった。

「いいわよ。どうぞ、座って」

あたしは標準語に戻った。

「……よかった」

目黒先輩はホッとした表情になった。

「ななみんの九州弁……だよね?……怖すぎる」

……ふんっ!
諒くんは『博多弁の女の子はすっげぇかわいいって言うけど、面と向かうと聞きしに勝る威力だな』って言ってくれたもんっ!

目黒先輩には別の意味で『面と向かうと聞きしに勝る威力』だったようだ。

……が、自業自得だ。

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