お見合いだけど、恋することからはじめよう

「あいつが……エミが『結婚なんてしてくれなくってもいいからどうしても産みたい』って言うんだよ。おれは何度も『卒業まではまだ一年近くあるし、せっかくもらった内定は辞退することになるんだぞ?』って説得したけど、結局はもう堕ろせなくなる時期になっちまって。
それで、当時はつき合ってた彼女もいなかったし……責任とって籍入れた」

……はぁ!?
聞けば聞くほど、こいつ、サイテーな男なんだけれどっ。彼女の方が若いのに、ずっと肝が座ってんじゃん。

でも……きっと「確信犯」だ。

こんなヤツでも、インターンシップの頃から憧れていて、なんとしてもモノにしたかったんじゃないのだろうか?
内定の『お祝いしてください』をきっかけにしてカラダを預けたのも「決死の覚悟」だったんじゃないのかな?

こんなヤツでも……かつて『好きなんです。つき合ってください』と言ったのはあたしの方だったから。

だから、そのときの彼女の気持ちは、痛いほどわかるような気がした。


……ま、こいつには、そんなこと、
まーったくわかっちゃいないんだろうが。

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