お見合いだけど、恋することからはじめよう
『そんでさ、先輩に「七海からはなにも聞いてないし、順調そのものですよ」って答えたらさ。
先輩は「どうも不自然だ」って言うのね。
だってさ、武田専務って名古屋の「自動車」じゃん?いくら赤木さんが優秀ったって、そんなところまで話が伝わると思う?』
友佳は忌々しげに腕を組んだ。
『「武田さんが、父親に泣きついたんじゃないか」って、先輩は言うのよ』
……まさか、と思った。
『七海、気をつけなよ?
今回のことでわかったけど、武田さんって同期の人たちからあんまりよく思われてないよ。
「専務の娘」だからさ、みんな大っぴらにはできないみたいだけど。
……だから、七海と仲よくしてたんじゃない?
後輩相手だったら、自分のペースで思うようにつき合えるもんね』