お見合いだけど、恋することからはじめよう
『えっと……社内でウワサになってるらしいんですけど……』
情報源である法務部の人たちの名前を出すわけにはいかなかったから、あたしはとりあえず、そのように切り出した。
すると、桃子さんはかすかに眉を寄せて、
『……そう、もうウワサになってるのね』
ため息混じりにつぶやいた。
『七海ちゃんは、まだ聞いてないの?』
この質問は、友佳からもされた。
『な…なにを……ですか?』
思わず上擦って震えてしまう声は、どうすることもできない。