お見合いだけど、恋することからはじめよう
「……だからと言って」
諒くんの言葉に、あたしは「えっ?」と顔を上げた。
「おれはななみんを、その辺のいかがわしいところへは連れ込む気はないよ」
諒くんはいたずらっ子のように、ニヤッと笑っていた。
「『正式』なのは今度改めてするから、今夜は『略式』で勘弁してくれ」
諒くんの顔が、突然、引き締まった。
「先刻も言ったけれど、きみはきちんとした見合いで知り合った上司のお嬢さんだ。
なのに、出逢ってたった三度めで、おれはきみに手を出そうとしてるんだ。
……だから、早すぎると思うかもしれないが、きみも覚悟してくれ」