お見合いだけど、恋することからはじめよう

……すっかりお見通しの図星、ってわけだ。

あたしは諒くんを、きゅっ、と睨んだ。

だけど、恥ずかしさのあまり、はにかんでしまった表情は、どうやら隠しきれなかったようだ。

諒くんはさもうれしそうに、くくっ、と笑って、あたしをぎゅーっと抱きしめた。

「だ、だって……あたし、諒くんに満足してもらえること、なにもできな……」

「いいんだ」

言いかけた言葉をバッサリと遮られた。

そして、耳元で……熱い息で、(ささや)かれる。


「七海は……なにも、しなくていい」

< 493 / 530 >

この作品をシェア

pagetop