お見合いだけど、恋することからはじめよう
「……だから、ななみん、大丈夫だからね。
まぁ、そうなったらそうなったで、大手を振って結婚できるから、むしろ大歓迎だ」
まるで家ネコのふさふさした毛並みを撫でるかのような手つきで、諒くんはあたしの髪を愛しげに撫でた。その声まで、猫なで声になっている。
すっかり「飼い主」に懐いてしまったあたしは、大好きな「ご主人様」の顔を見上げた。
すると、諒くんが満面の笑みを湛え、蕩けるような甘い眼差しで、あたしを見下ろしていた。
でも、なんだか「悪代官」や「越後屋」に見えなくもない、仄暗い笑顔なのは……
……気のせいかな?