お見合いだけど、恋することからはじめよう

「あたし……知ってんだかんね」

すっかり酔いのまわった友佳が、テーブルに頬杖をついて青山を見て、ひひひっ、と嗤う。

「今週の月曜日、定時後の女子更衣室でさ。
情シスの山下(やました)さんと小川(おがわ)ちゃんが、どっちもすんごい剣幕で罵り合ってたのって。
……原因は、青山、あんたでしょ?」

「ええぇっ⁉︎ あの騒ぎの『元凶』って、青山くんだったのっ⁉︎」

あたしは素っ頓狂な声をあげた。


山下さんは情報システム部のシステム(S)エンジニア(E)で、バツイチの三十代のお局さま……もとい、ベテランのお姉さまである。

対して、小川ちゃんというのは、情報システム部に事務職で配属された、まだ入社二年目の子である。

二人の歳の差は一回りもあるというのに、社内でしかもあんな壮絶な言い争いを繰り広げるとは、いったいなにがあったんだろう、と不思議でしようがなかったんだけど。

……そうか、男がらみ、か。
しかもその相手は、今、目の前にいる青山なんだ。

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