一円玉の恋
なになになに?今度は何?と焦っていると、
「ああ翠、好きだよ。やっと俺のものに出来る」と言いながら抱きしめて、何度もくちづけを落とし始めた。
なんだか変だぞ山神さん。

そしてそのまま抱っこされて、奥の部屋にある寝心地の超良さそうなベッドに下され、直ぐに組み敷かれた。
ポカンとすれば、嵐のようなくちづけが再開される。
もうこの頃には、今から何が始まるのかはだいたい想像ができたが、どうしていいのか分からないし、とにかく恥ずかしい。

なんとか逃げれないものかと、閃いた言葉は、「シャワー浴びたい!」。
強く宣言すると、山神さんはちょっと不満顔でまた抱っこして、バスルームに連れて行く。
「自分でするから、山神さんは外で待ってて。」と言っても、「ダメだよ。奥さん、出て来なくなっちゃうかもしれないでしょ?どうせ、後で君の全てを見ちゃうんだからね。一緒に入っても同じでしょ。それにもう山神さんじゃないよ。」と妖しいくちづけをしながら、私の全てを脱がしにかかる。
バレてる、籠って粘ればなんとかなるかと思い付いたのに…。
山神さんも全部脱いで、目のやり場に困る私にお構いなく、「ほら、髪洗ってあげる、あと体もね。」とモコモコ泡だてて洗い始めた。
洗いながらも、妖しい手つきで私を翻弄していく。

そんな行為に慣れない私は、バスルームを出る頃にはクタクタになっていた。
「翠、これで疲れてたら先が思いやられるね。出来るだけ優しくはするけど、寝かせてあげられないよ。」と恐ろしい事を言ってくる。

杏子さんが頑張ってって仕切りに言ってたのはこのことかあ!
無理だあ〜無理無理!私頑張れない!と心で訴える。

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