一円玉の恋
おおぅ!!ええええーーー。マジですか?

「へぇ〜。その人、煽ってもビクともしなかったのに。やっとその重い腰を上げたんだ。おめでと。」

と崇さんが、抑揚のない声でお祝いする。

「ええと…。杏子さん教授おめでとうございます。二人ってお知り合い…っていうか付き合ってたんですね?」

と、私もイマイチ状況を飲み込んでないが、お祝いの言葉を送る。

「付き合ってるって明確なものはなかったけどねえ。私はもうとっくに諦めてたしね。それに、他にいいなぁって思う人が出来かけた矢先だったんだけどね〜。」

と言って杏子さんが教授に意味ありげな眼差しを向ける。
教授は少しバツの悪そうな顔を見せた。
ほお!なんかドラマチックな予感!
そっか崇さんがちらっと言ってた人って教授のことだったんだ…。
いいなぁ、杏子さんと結婚できるんだー。
おお、では教授は私の恋敵ですね!
でもなんかいいですねえ。
教授も歳はかなり上なのに、シルバーブロンドのダンディなイケメンですもんね。
杏子さんと並ぶと美男美女オーラが凄すぎて近寄れないけど、お二人の雰囲気が、もうすでに長年連れ添った感があって。
すごくステキだ!

「そうだ、兼子さんに会いたいって子がいるから呼んであるよ。来てからのお楽しみだけどね。」

と教授から何やらサプライズされるらしい。

と、そこにタイミングよくドアを開けて入って来たのは、真希ちゃんと先輩だ。
それには、嬉しさのあまり二人に飛び込んだ。

「いやぁーー真希ちゃん!久しぶり!ええ、今地元じゃなかったっけ?先輩もお久しぶりですね。」

と半泣きで喜ぶ。
「翠、おまえは誰にでも抱きつくなよ。抱きついていいのは、俺だけだよね。」と崇さんがベリッと剥がす。「なんでよ!崇さんが決めることじゃないじゃん!」と、抗議して、べぇーーー。とやってやる。
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