一円玉の恋
テーブルで向かい合わせに夕食を食べていると山神崇が「昨日言っていたように、取材で出かけたいから翠ちゃん付いて来てね。」と言って来た。
「今書いてるやつで、ちょっと資料集めしたいんだ〜。あっ場所はね水族館とか色々ね。あとさ、来週か、再来週に二、三日休めるなら京都の方に足を運びたいんだけど、それも付いて来て。ちょっと旅行気分味わえていいでしょ?」
と楽しそうに言ってくる。
私は、えっそんなに?と思って顔を上げると。
「だから、こき使うって言ってあるよね?」
と、意味ありげにニコニコしながら言ってくる。
まあ、なんとかなるか。あっそうだと、
「あっ、山神さん。昨日杏子さんに、話の流れで部屋が見つからないって話したら、お店の二階が空いてるから見に来る?って誘われたんで、来週見に行って来ます。」
と今度は私が笑顔で伝えた。だが、
「……。」
んっ、どした?何か急に山神崇の雰囲気が変わったぞ。
「そっか、杏子にね…まだ諦めずに動いてんだ…ねぇ…そんなに嫌?ここの暮らし。そんなに出て行きたいの?…そんなに…嫌か?…俺の事?結構、良くしてあげてるつもりだけどね。…我慢だって…してやってんのに…。」
と最後は聞き取れなかったが、冷たい声で言ってくる。部屋はあっという間に冷気が漂う。
なんかまずかったのかと慌てて、
「えっ?ち、違いますよ。山神さんには本当、感謝してます。対して知らない人間に部屋貸してくれて、良い待遇で働かしてもらって、お陰で学業にも専念できるし、でもいつまでも居て良いわけではないし、山神さんだって、飽きるまでって言ってたから、どちらにせよ早めには部屋見つけないと、と思って。」
「今書いてるやつで、ちょっと資料集めしたいんだ〜。あっ場所はね水族館とか色々ね。あとさ、来週か、再来週に二、三日休めるなら京都の方に足を運びたいんだけど、それも付いて来て。ちょっと旅行気分味わえていいでしょ?」
と楽しそうに言ってくる。
私は、えっそんなに?と思って顔を上げると。
「だから、こき使うって言ってあるよね?」
と、意味ありげにニコニコしながら言ってくる。
まあ、なんとかなるか。あっそうだと、
「あっ、山神さん。昨日杏子さんに、話の流れで部屋が見つからないって話したら、お店の二階が空いてるから見に来る?って誘われたんで、来週見に行って来ます。」
と今度は私が笑顔で伝えた。だが、
「……。」
んっ、どした?何か急に山神崇の雰囲気が変わったぞ。
「そっか、杏子にね…まだ諦めずに動いてんだ…ねぇ…そんなに嫌?ここの暮らし。そんなに出て行きたいの?…そんなに…嫌か?…俺の事?結構、良くしてあげてるつもりだけどね。…我慢だって…してやってんのに…。」
と最後は聞き取れなかったが、冷たい声で言ってくる。部屋はあっという間に冷気が漂う。
なんかまずかったのかと慌てて、
「えっ?ち、違いますよ。山神さんには本当、感謝してます。対して知らない人間に部屋貸してくれて、良い待遇で働かしてもらって、お陰で学業にも専念できるし、でもいつまでも居て良いわけではないし、山神さんだって、飽きるまでって言ってたから、どちらにせよ早めには部屋見つけないと、と思って。」