一円玉の恋
「………。」

「本当良くしてもらって感謝してるので、怒らないで下さいよ。なので、杏子さんには連絡してあるので、来週行ってきますね。」

と言い切った。一体なんなのよ!
なんで?急に怖くなんのよ!
本当何故、いきなり不機嫌になるのか分からない。
飽きるまでなんて、山神崇に明確な期間を提示してもらっている訳ではないのだから、早めに動こうって考えるのは当たり前だ。
それに、さっき我慢って聞こえたような、確かに、私が居る事で遠慮してる部分もあるだろうし、特に女性関係?だから、早く出て行った方がいいと考えるのが正常な判断だ。
私何も悪くないもの。

そんな事を考えていると、突然訳の分からない質問が飛んできた。

「ねぇ、昨日さ、俺が杏子とキスしててなんか思った?」

は?「なんかって何ですか?」意味わからんぞ。
「例えば、嫉妬とか…。わかんないけど、なんか…。」

なんだそりゃ?ないない、何にも関心なーし!

「全く。何も。まずい所に出会したな〜ぁって逃げようとしたんですけど、杏子さんに捕まって。あっ、杏子さんかっこいいなぁっとは思いましたよ!」

と笑顔で答える。だぁって、本当杏子さん素敵ですね。杏子さんと住めたら嬉しいだろなぁ。

「……。」

「?」なんでそんなに不満顔?何か問題でも?

「あっそ。まっいいや。じゃあ明日よろしく〜。」

と、何かを諦めて、食事は綺麗に平らげてご馳走さまと、山神崇はまた部屋に戻って行った。

ハテナが私の頭を埋め尽くす。
今朝といい、山神崇はなんか変。
あ〜でも、水族館かあ。取材かあ。
作家さんなんだよなぁ。読んだ事ないけど。
有名な人らしいんだよね。興味ゼロだけど…。私、文系なのにね…。
ははっ知らなかったよ。
けど時々、担当者さんも打ち合わせで来る事もあるし。
そっか、そっか、取材かあ。
お給料分はちゃんと働かないとね。
気が引けてたのは事実だし。
確かに旅行気分は味わえそう。
やった〜。
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