一円玉の恋
私は、館内の女湯に入って、美味しいご飯をたくさん食べて、寝た。
引いて頂いたお布団はめいっぱい山神さんから引き離して、間に衝立も立てて、クソ重い座卓も、ふんっと立てて、寝た。
もちろん、爆睡だ。
朝目覚めたら異常なし。
その代わり山神さんが居なかった。
布団も綺麗に畳んである。
あれ、居ない。
昨晩並べ立てたバリケードを綺麗に撤去して、着替えて、歯を磨いて、お化粧をする。
どこ行ったんだろ。
少し、気になる。
お財布とスマートフォンだけ持って、ちょっと散歩にと断って旅館を出た。
外はまだ早朝という事もあって、昼間の蒸し蒸しさは感じられず、スッと爽やか空気が身体を覆う。
あんまり周辺の地理は頭に入ってないが、確かこっちに大きな川が流れていたはず。と、うろ覚えで歩き出す。
しばらく歩いて、よしっ当たりと思って歩みを進め橋の袂に差し掛かると、山神さんが綺麗な女性と親しげに話している姿が目に写った。
こちらには気づいていない。
こんな早朝に誰と?何故かその場から離れ難くて、少し隠れるように二人の様子を見ることにした。
二人とも身体は下流の方を向いて話している為、横顔しか分からないが、女性は杏子さんとはまた違った綺麗な女性だった。
山神さんの周りには本当綺麗な人ばかり、と何故かチクッと心が痛む。
山神さんの穏やかに綺麗に笑う横顔にまたチクッと痛む。
離れたいのに離れられない。
引いて頂いたお布団はめいっぱい山神さんから引き離して、間に衝立も立てて、クソ重い座卓も、ふんっと立てて、寝た。
もちろん、爆睡だ。
朝目覚めたら異常なし。
その代わり山神さんが居なかった。
布団も綺麗に畳んである。
あれ、居ない。
昨晩並べ立てたバリケードを綺麗に撤去して、着替えて、歯を磨いて、お化粧をする。
どこ行ったんだろ。
少し、気になる。
お財布とスマートフォンだけ持って、ちょっと散歩にと断って旅館を出た。
外はまだ早朝という事もあって、昼間の蒸し蒸しさは感じられず、スッと爽やか空気が身体を覆う。
あんまり周辺の地理は頭に入ってないが、確かこっちに大きな川が流れていたはず。と、うろ覚えで歩き出す。
しばらく歩いて、よしっ当たりと思って歩みを進め橋の袂に差し掛かると、山神さんが綺麗な女性と親しげに話している姿が目に写った。
こちらには気づいていない。
こんな早朝に誰と?何故かその場から離れ難くて、少し隠れるように二人の様子を見ることにした。
二人とも身体は下流の方を向いて話している為、横顔しか分からないが、女性は杏子さんとはまた違った綺麗な女性だった。
山神さんの周りには本当綺麗な人ばかり、と何故かチクッと心が痛む。
山神さんの穏やかに綺麗に笑う横顔にまたチクッと痛む。
離れたいのに離れられない。