一円玉の恋
「翠ちゃんらしいわね。そっかぁ。理想の人にいつか出会えたらいいわね。
ところで、その先輩とは会う約束あるの?
ねえ、よかったら、今度その先輩君ここに連れて来なさいよ。私会ってみたいなぁ〜。翠ちゃんが今こころ許してる男に」

「えっ心許す…えっ…と、今のところ会う予定はぁ…」

と答えながら、また心地よく意識が遠くなってカウンターに伏せた。

「あら、寝ちゃったのね〜。あと、ちょっとだったのに。」

「で、どうすんの、アンタ?」

「ほらぁ、やっぱり翠ちゃんは純粋な人がいいって。だから、アンタはまず無理ね。即アウト!
その先輩っていう子も、絶対翠ちゃんのこと好きよね。
アンタ知らなかったんでしょ?
強敵現る。かしら?ふっふ。おもしろ。」

「………。」

「翠ちゃんって本当筋金入りの鈍い子ね。たぶん、今までも好意を持ってる子は結構居たと思うんだよね。こんなに性格も見た目も可愛いんだからほっとかないでしょ。でも、それを本人が自覚してないから困るのよ。」

「………。」

「普通に考えて、私はその先輩君とくっ付いた方が翠ちゃんはいいと思う。アンタは大丈夫、まだこれからもモテる。だから身を引きな!」

「…。みなほに京都で会った。」

「は?なんで?」

「俺が京都に来てたのを、誰かから聞いて、どうしても会いたいからって時間作ってって言われて旅館の近くで会ったよ。しかも早朝だよ。アイツの実家が近かったから良かったけどね。会える時間は今回無いって言ったんだけど、何時でもいいからって、言われて仕方なく。」

「相変わらず、馬鹿ね。アンタ。」

「アイツ結婚するんだって。もう一度心から愛せる人に出会えたって言ってたよ。」

「へぇ〜。それはめでたいわね…。」
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