一円玉の恋
「えっ、なんでそこで先輩が出てくるの?先輩とはここ最近会ってないよ。でも、余裕が出て来たのは事実かなぁ?
今ね、居候させてもらってて、そこで家政婦さんみたいな事もさせてもらってるから、お給料も出て、おかげでコンビニのシフト減らせたから、時間と気持ちに余裕は出来たよ。」

「へーー。その人、男でしょ?彼氏?」

「えっ!彼氏じゃないよ。なんで男ってわかるの?年も離れてるし、ボランティアみたいなもんだって言ってたよ。
貧乏人には愛の手をだって。
なにくそって思ってたけど、今は、友好関係を築いてるかな。
まぁ、その人との出会いは最悪だったけど、今は心から感謝してるかな。」

「好きなんだ。その人の事。もうヤった?」

「はあ!ええええー。ないないないよ、そんなこと。なんでそうなるの?ヤッた。なんて有り得ない。その人、おじさんなのにモテるから他に相手がいると思うよ。
ほぼ家に居て仕事してるし、最近一人で出掛けてないみたいだから、分かんないけど。」

「ふーん。だって、翠ちゃんその人の事、ちゃんと頭に浮かべて話してるでしょ?表情豊かに嬉しそうに話すもん。
だから、恋してるんだなぁって思って。
初めて見たよ。翠ちゃんのそんな顔。
なんか初々しくて可愛い。
で、そのおじさんはいくつ?なんの仕事してんの?」

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