一円玉の恋
「歳は三十で、作家さん。
名前が山神崇さんっていうの、結構有名人みたいだけど、私知らなかった。
本も読んでみようって思うけど、まだ読む暇なくて。」

「あー。知ってる。結構イケメンじゃん!
おじさんってかなり失礼だよね。
翠ちゃんって、ほんっと興味なかったらとことん無知だよね。
すごいよ!そんな人ん家に居候させてもらって。
でも、たしかにモテそうだよね。
そんな人が、ずっと家にいるってなんか溜まってそう。よく手出されないよね。
翠ちゃんなら、男は皆どストライクだと思うよ。それに若いし、そんな子が家にいるのに手を出さないって、すごいよね。
大事にされてるんだ。か、はたまた病気か。なんてね。きっと大事にされてるんだよ。」

「いや、それはない。私はガキンチョなんで範囲外だと思うよ…。」

「なんだやっぱり、好きなんじゃん。そんな悲しそうな顔して。」

「えっと…そういうのいまいち分かんないんだよね。でも、この頃山神さんが側に来るとすごいバクバクして、頭がおかしくなる。という事はある。」

「ほぉーそれは。いい傾向だね。
若者よ、大いに恋しなさいよ。
翠ちゃん、純粋過ぎて、疎いからたまにはいいんじゃない。
私が色々言っても認めないだろうし、自分で色々悩んで自覚しないとね。
いいね。なんかワクワクする。
私も、落ち着いたらまた彼氏作ろう!」
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