一円玉の恋
「戻るもなにも、山神さんの家はそもそも私の家ではないので、行きません。頂いたお給料もちゃんとお返ししました。だから、今後一切私には関わらないで下さい。」
と、山神さんの顔を見ずに言い放つ。
そんな私の肩を掴んで悲しそうな声で、
「そんな…翠ちゃん。俺はね…君に居なくなられたら困るんだよ。」
と、山神さんが訴えてきた。
今度は山神さんの顔を見据えて、
「それは、ご飯を作る人がいないからですか?それはないですよね。山神さんご自分でなんでも出来ますよね!私必要ないと思うんですけど。それとも本当に体を寄越せと言いたいんですか?」
と、責めるように聞くと、山神さんは慌てて身体全体で否定するように頭も手も振っている。
こんなおどおどしている姿は見た事はない。
「…!違う、それはない。それは、本当にごめん。酷い事をした。本当に…ごめん。ただ、翠ちゃんに居て欲しいから。翠ちゃんを失いたくないんだ。それはその…俺は…俺翠ちゃんが好きなんだ…愛してる…。この歳で恥ずかしいけど、コンビニで見かけ始めてからなんとなく気になって、でも嫌われているのは分かってたから、何とか好きになってもらいたくて。
でも、昨日男と楽しそうに肩を並べている君を見て、ものすごく嫉妬して。なんとか振り向いて欲しくて頑張ってるのにちっとも俺を恋愛対象に入れてくれない君に腹が立って…。ごめん。」
「………。」
と、山神さんの顔を見ずに言い放つ。
そんな私の肩を掴んで悲しそうな声で、
「そんな…翠ちゃん。俺はね…君に居なくなられたら困るんだよ。」
と、山神さんが訴えてきた。
今度は山神さんの顔を見据えて、
「それは、ご飯を作る人がいないからですか?それはないですよね。山神さんご自分でなんでも出来ますよね!私必要ないと思うんですけど。それとも本当に体を寄越せと言いたいんですか?」
と、責めるように聞くと、山神さんは慌てて身体全体で否定するように頭も手も振っている。
こんなおどおどしている姿は見た事はない。
「…!違う、それはない。それは、本当にごめん。酷い事をした。本当に…ごめん。ただ、翠ちゃんに居て欲しいから。翠ちゃんを失いたくないんだ。それはその…俺は…俺翠ちゃんが好きなんだ…愛してる…。この歳で恥ずかしいけど、コンビニで見かけ始めてからなんとなく気になって、でも嫌われているのは分かってたから、何とか好きになってもらいたくて。
でも、昨日男と楽しそうに肩を並べている君を見て、ものすごく嫉妬して。なんとか振り向いて欲しくて頑張ってるのにちっとも俺を恋愛対象に入れてくれない君に腹が立って…。ごめん。」
「………。」