一円玉の恋
「…!なんで?…好きなんだ。一緒に居たい。その…翠ちゃん。君だって、少しは俺の事を気になってると思うんだ。夜中言ってたよね。俺の事で悲しくなったり寂しくなったり、悩むって事は、自惚れだけど俺の事好きって事にはならないのかな?」
「………。」
「翠ちゃん、帰ろう。」
必死に思いを伝えようと話す山神さんに、私はちゃんと何か、ちゃんと伝えないと、とは思う
けど、上手く整理が出来なくてただただ首を横に振ることしか出来ない。
山神さんは、その様子を見て「翠ちゃん…。」と言って深い溜息をついた。
そして、「…分かった。」と言って立ち上がった。
だがそれでも尚、山神さんは、私に向いて、
「でもね、翠ちゃん、俺諦めないからね。
なりふり構わずに好きになったのは君だけなんだ。だから、ごめん、君を手に入れるまでは、諦めてやれない。往生際が悪いんだよね。」
と穏やかに語りかけて「じゃあ、また。」と私の頭をポンポンっと優しく触れて去っていく。
離れて行く。
無意識だった…。
気づいた時には泣きながら、山神さんの背中に抱きついていた…。
何かを言いたくて、引き止めたのだ。
少し驚いてはいたが、山神さんが、一度私の腕を外して、「どうせなら、背中に抱きつかれるよりは、胸に抱きつかれたいからね。」と私に向き直って、しっかりと抱きしめてくれた。
私もしっかり腕を回す。
甘くて優しい匂いが私を包んでくれる。
この匂いだ。私を落ち着かせてくれる。
私の好きな匂い。好きな人の匂い。
「………。」
「翠ちゃん、帰ろう。」
必死に思いを伝えようと話す山神さんに、私はちゃんと何か、ちゃんと伝えないと、とは思う
けど、上手く整理が出来なくてただただ首を横に振ることしか出来ない。
山神さんは、その様子を見て「翠ちゃん…。」と言って深い溜息をついた。
そして、「…分かった。」と言って立ち上がった。
だがそれでも尚、山神さんは、私に向いて、
「でもね、翠ちゃん、俺諦めないからね。
なりふり構わずに好きになったのは君だけなんだ。だから、ごめん、君を手に入れるまでは、諦めてやれない。往生際が悪いんだよね。」
と穏やかに語りかけて「じゃあ、また。」と私の頭をポンポンっと優しく触れて去っていく。
離れて行く。
無意識だった…。
気づいた時には泣きながら、山神さんの背中に抱きついていた…。
何かを言いたくて、引き止めたのだ。
少し驚いてはいたが、山神さんが、一度私の腕を外して、「どうせなら、背中に抱きつかれるよりは、胸に抱きつかれたいからね。」と私に向き直って、しっかりと抱きしめてくれた。
私もしっかり腕を回す。
甘くて優しい匂いが私を包んでくれる。
この匂いだ。私を落ち着かせてくれる。
私の好きな匂い。好きな人の匂い。