カラダから、はじまる。
だが……その必要はなかった。
田中が、すぐさま七海を抱き寄せて、その顔を覗き込んだからだ。
すると、俯いていた七海の顔が上がった。
遠くて表情は見えないはずなのに、七海がまだ涙の残る顔で健気にも、にこっと田中に笑いかけたのが「見えた」。
わたしに、先刻結婚式で二人が誓いを立てた際に感じたときとは較べものにならないほどの強い衝撃が走る。
二人はこれから、こんなふうにして「健やかなるときも病めるときも」「富めるときも貧しいときも」「互いに愛し、敬い、慈しんで」生きていくのだ、ということをまざまざと悟った。
……二人は、本当に「夫婦」になってしまったのだ。