カラダから、はじまる。
「先刻から探してるんだけどね。
……高木は見かけなかった?」
「本宮さんですか?
……そういえば、見ませんね」
高木も周囲を見渡したが、やはり本宮はいなかった。
……仕方ない。LINEで連絡すれば大丈夫かな?
とにかく、一刻も早くうちに帰りたかった。
「七瀬さん、本日はおめでとうございます。
お二人の人柄があらわれた、本当にいいお式と披露宴でしたね。妹さんもかわいらしい方で……あの諒志さんがデレデレになる気持ちがわかりました」
高木はそのときの様子を思い出すような目をして、しみじみと言った。
「高木、今日は妹夫婦の結婚式に出席してくれて、どうもありがとう。
それに、田中側の受付をやってくれてたんだってね。ご苦労さまでした」
わたしは頭を下げた。高木はこんな日まで、田中の「秘書」をしていたのだ。
「いえいえ……諒志さんのあんなデレ顔が見られるなんて、こちらがお礼を言いたいくらいです。
新婚旅行から帰って出社されたときに、揶揄う材料ができましたからね」
高木はそう言って、普段は決して崩れることのない表情を和らげて、屈託なく笑った。
……へぇ、こんな笑い方もするんだ。