カラダから、はじまる。

わたしは……すっかり固まってしまった。

学生時代につき合った男は既婚者だったし、憂さ晴らしでセックスしたヤツらとはほとんどが後腐れのない「ワン・ナイト・オンリー」だったから、実はプロポーズされたのは生まれて初めてだった。

わたしの「異変」に気づいたのか、高木が抽送を止める。

「……七瀬さん?」

わたしの頬は、彼に与えられたいろんな「熱」のせいで、今や火照(ほて)ったように真っ赤っかに染まっていた。

その頬を、彼がやさしく撫でる。

「あなたがほしい、と思ってやっただけのことなのに、これからの僕の人生は、なかなかおもしろくなりそうだ。おかげで『華道の家元』になる権利を捨てたことなんて……何の未練もないよ」

そう言って、高木はこの上なく妖艶に微笑んだ。

「……これからのあなたの人生は、僕と一緒に歩んでくれるよね?」

わたしの背筋が、ぞくぞくっと震えた。
どう足掻(あが)いても、逃げられる気がしなかった。


「高木……恐ろしい子……」

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