カラダから、はじまる。
「その『子』っていうの……すんげぇムカつく」
突然、高木が『すんげぇ』なんて言葉を吐いたので、わたしはびっくりして、目をぱちばちしてしまう。
「僕のこと……まったく『男』として見てなかったでしょう?」
「だ、だって……七海よりも歳下なのよ?」
……そうなのだ。
白檀の匂いに包まれたその嫋やかな所作のせいだけでなく、彼は七海よりもさらに一つ下だから、わたしとは六歳もの年齢差がある。
ということは……
「わたしが大学一年のとき……高木は小学六年生……」
脳裏に「東京都青少年の健全な育成に関する条例」の「何人も十八歳未満の青少年とみだらな性交又は性交類似行為をしてはならない」という条文が浮かんだ。
すると、いきなり彼の腰がぐんっ、と入った。
「……ぁあ……んっ⁉︎」
不意打ちを喰らって、わたしの眼前に閃光が走る。
「見たかったなぁ……女子大生の七瀬さん」
かつて「小学生」だったはずの高木は、今や二十六歳の青年に成長し、わたしの上で半端ない色気をダダ漏れさせている。
「ランドセルを背負って、ミスT大のあなたに逢いに行きたかったくらいだ」
遠い目をして、まるで謳うようにつぶやく。
……もし、そのとき知り合っていたら、ほんとにやって来そうだわ。
「諒志さんは、その頃からあなたを知ってるんだ……やっぱり、すんげぇムカつく」