触って、抱いて、もっと愛して。臆病な令嬢は貴公子の一途な熱情に蕩かされました(原題「その身体に触れたら、負け」)
いよいよ今年も収穫祭の時期となった。オリヴィアは今年の舞踏会にもフレッドのエスコートで出席した。
今年はシーズンの最後だけ、それもいわば身内の夜会にしか出席しなかった。王族はもちろん、大多数の貴族にとってもオリヴィアの姿を見るのは随分と久し振りのことだ。
その日の王宮は騒然となった。
騒然となったのは、ヴィオラ殿下の寵愛を受けたフレッドと、社交界を追い出されたともいえるオリヴィアが揃って登場したからだけではない。
久しぶりに姿を見せた彼女の、目を瞠《みは》る美しさにこそ、人々はそれまで彼女を貶めたことも忘れて感嘆のため息をついた。
もともと容姿の整った彼女ではあったが、それは今や芯の通った強さをともない、花開いたようだった。隣の宰相補佐官にふわりと微笑むさまは、周りの者をも魅了するほどに可憐で、かつ大人の女性の落ち着いた色気をまとっていた。
晴れた日の空を淡く薄めた色のドレスは裾が流れるようなドレープを描き、下にいくほど宵を思わせる色合いに変化していく。膨らんだ袖と胸もとには繊細なレースが贅沢にあしらわれ、なんともため息の出る作りだ。
今年はシーズンの最後だけ、それもいわば身内の夜会にしか出席しなかった。王族はもちろん、大多数の貴族にとってもオリヴィアの姿を見るのは随分と久し振りのことだ。
その日の王宮は騒然となった。
騒然となったのは、ヴィオラ殿下の寵愛を受けたフレッドと、社交界を追い出されたともいえるオリヴィアが揃って登場したからだけではない。
久しぶりに姿を見せた彼女の、目を瞠《みは》る美しさにこそ、人々はそれまで彼女を貶めたことも忘れて感嘆のため息をついた。
もともと容姿の整った彼女ではあったが、それは今や芯の通った強さをともない、花開いたようだった。隣の宰相補佐官にふわりと微笑むさまは、周りの者をも魅了するほどに可憐で、かつ大人の女性の落ち着いた色気をまとっていた。
晴れた日の空を淡く薄めた色のドレスは裾が流れるようなドレープを描き、下にいくほど宵を思わせる色合いに変化していく。膨らんだ袖と胸もとには繊細なレースが贅沢にあしらわれ、なんともため息の出る作りだ。