触って、抱いて、もっと愛して。臆病な令嬢は貴公子の一途な熱情に蕩かされました(原題「その身体に触れたら、負け」)
庭園にいたはずなのに、目覚めて最初に視界に入ったものは天井に描かれた華麗な絵画だった。
「気分はどう?」
優しい声が鼓膜を揺らす。聞き覚えのあるその声のした方へゆっくりと頭を向けると、フレッドがほっとしたように、でもどこか辛そうな顔で微笑んだ。そこにいたのが彼であることに彼女は混乱し、同時にほっと安堵の息を吐いた。
「どうしてそんな顔をしているのですか? 何か悲しいことでもおありになったのですか」
フレッドがその顔のままくしゃりと笑う。彼女が横たわるソファまで来ると、片膝をついて彼女の顔を覗きこんだ。
「目が覚めて一言めが僕のこと? とにかく、気がついて良かった」
「私……」
「大丈夫、あなたは意識を失っただけでそれ以上のことは何もされてない。あの男には二度とあなたに近づかないように言ってある」
オリヴィアはがばりとソファに起き上がった。そのとたん頭がぐらりと揺れ、すがるように背もたれに手をついた。フレッドが手を伸ばそうとしてためらい、中途半端に拳を握ったが、そのことにも気づかなかった。
あの男につかまれた瞬間のゾッとする感触がよみがえる。今になってガタガタと止めようもなく身体が震える。
「こわっ、怖かっ、……」
上手く言葉を紡ぐことができない。涙がぶわりとあふれ出て、頬を滑り落ちた。
フレッドの腕が、再びためらいがちに彼女に伸ばされる。それが一瞬あの男のものと重なり、思わず身をよじると、彼がはっとして手を止めた。
「気分はどう?」
優しい声が鼓膜を揺らす。聞き覚えのあるその声のした方へゆっくりと頭を向けると、フレッドがほっとしたように、でもどこか辛そうな顔で微笑んだ。そこにいたのが彼であることに彼女は混乱し、同時にほっと安堵の息を吐いた。
「どうしてそんな顔をしているのですか? 何か悲しいことでもおありになったのですか」
フレッドがその顔のままくしゃりと笑う。彼女が横たわるソファまで来ると、片膝をついて彼女の顔を覗きこんだ。
「目が覚めて一言めが僕のこと? とにかく、気がついて良かった」
「私……」
「大丈夫、あなたは意識を失っただけでそれ以上のことは何もされてない。あの男には二度とあなたに近づかないように言ってある」
オリヴィアはがばりとソファに起き上がった。そのとたん頭がぐらりと揺れ、すがるように背もたれに手をついた。フレッドが手を伸ばそうとしてためらい、中途半端に拳を握ったが、そのことにも気づかなかった。
あの男につかまれた瞬間のゾッとする感触がよみがえる。今になってガタガタと止めようもなく身体が震える。
「こわっ、怖かっ、……」
上手く言葉を紡ぐことができない。涙がぶわりとあふれ出て、頬を滑り落ちた。
フレッドの腕が、再びためらいがちに彼女に伸ばされる。それが一瞬あの男のものと重なり、思わず身をよじると、彼がはっとして手を止めた。