触って、抱いて、もっと愛して。臆病な令嬢は貴公子の一途な熱情に蕩かされました(原題「その身体に触れたら、負け」)
 たまらないな、とひとりごちる。再び口づけを落とすと、繰り返されるその行為に慣れたのか、それともまだ酔いが抜け切れていないからか、彼女は柔らかくフレッドを受け止めた。

「ふ……フレッドさま……すき……」

 今度こそ、フレッドは驚きに固まった。彼女に見入るも、まだ意識は覚束ないようだ。
 だが、酔ったからこそ気持ちを打ち明けてくれたのかもしれない。
 彼女をきつく抱きしめると、柔らかな身体がフレッドの理性をさらう。

 賭けは自分の負けだ。フレッドは心の中で白旗をあげた。お預けなんて利口なことはできそうにない。

 その衝動のまま、再び唇を重ねる。怖がらせないように、怯えさせないように。
 彼女がまた吐息のような声を漏らした。

「ふ……っ」

 口づけを繰り返しながら、ダークブラウンの艶やかな髪を解く。彼女の背中で波打つ長い髪を手で繰り返し梳くと、オリヴィアの身体からくたりと力が抜けた。

 オリヴィアから漂う、かすかなアルコールの匂いと下ろした髪から立ち昇る甘やかな香り。それらがフレッドをも酔わせる。

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