無感情なイケメン社員を熱血系に変える方法
「私ね、駿太郎がランニングに興味を持ってくれたり、スポーツ用品についての知識を深めて、お客様に真摯に接客してくれるようになったのがわかるからとても嬉しいの」

彩月がそっと駿太郎を抱きしめる。まるで母親がしてくれるように。

「急がなくていいよ。駿太郎のペースでゆっくり行こう。人生の42.195kmはまだまだ先だからね」

駿太郎はギュッと目を瞑ると、自分も彩月の細い体を抱き締め返すのだった。

ほんの少し、小3の駿太郎が前に進んだ気がした。
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