無感情なイケメン社員を熱血系に変える方法
とはいえ、恋愛感情は仕事の次。純粋にスポーツを好きになってもらいたい。その思いは本心だったから、彩月は熱心に駿太郎に仕事を教えた。

仕事ぶりにも接客にも定評のある彩月だ。

頑なな駿太郎の態度も、日を追う毎に軟化していく。表情は無表情のままだが。

社長も社長秘書も、具体的には言わなかったが、駿太郎のスポーツ嫌いには訳があるはずだ。

だけど、それを無理矢理言わせても仕方がない。教員免許も持つ彩月は心理学も専攻していた。

"ゆっくり、駿太郎のペースを守っていこう"

彩月は、ポツポツと言葉をつないで歩み寄ろうとする駿太郎に対し、まるで生徒に感じるような愛しさを覚え、今後も常に笑顔で接していこうと心に誓ったのであった。
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