無感情なイケメン社員を熱血系に変える方法
彩月は5kmのランニングを終えて自宅に戻り、シャワーを浴びた。

ささみのサラダと目玉焼き、牛乳を飲むと朝食の片付けをする。運動後のタンパク質の摂取は筋肉の増強、修復にも効果的だ。

出掛けるときにセットしておいた洗濯が終わっており、室内に干す。

まだ7時半。約束の9時に駅につくには、8時半の電車に乗れば十分間に合うはずだ。

洗濯物を干し終えると、彩月は先日、職場がテナントとして入っているモール内のアパレルショップで購入した薄手のニットとスカートを身につけた。

今日はポニーテールはおろして少し内巻きに毛先をカールさせてみた。ナチュラルメイクもいつもより念入りに。

スカートとかメイクとか、内巻きカールとか。

物心ついてからは陸上、就職してからは仕事一筋でまともにお洒落したのは初めてかもしれない。

卒業式は袴を着たから、こういうお洒落は始めてだ。しかも好意を抱いている人とのデート?も始めて。

「まあ、何か相談事とかだろうから、羽生くんにとっては私の格好なんてどうでもいいだろうけど」

彩月は、いつもよりほんの少し女らしくなった自分の格好に満足して玄関を出ると待ち合わせの駅へ向かった。
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