無感情なイケメン社員を熱血系に変える方法
バスのアナウンスが次の当着地を告げると

「彩月、着くよ」

と、駿太郎は優しく彩月の頭を撫でた。

「,,,ごめん、私寝てた?」

「俺も寝てたから大丈夫だよ」

すぐ近くに駿太郎の顔があって驚く彩月の右の瞼に、駿太郎が触れるだけのキスをする。

"偶然,,,当たったの?"

寝ぼけ眼の彩月がぼんやりと駿太郎を見上げると、駿太郎は見たことのない笑顔で彩月を見つめていた。

"やばっ、何?この破壊的笑顔"

動揺する彩月の手を取り、駿太郎が立ち上がる。

「行こう」

バスが着いた先は、閑静な住宅街。

そこから10分程度歩くと、一軒の洋風な家があった。

"田村美術教室"

玄関の表札の横には、そんな看板が取り付けてあった。
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