無感情なイケメン社員を熱血系に変える方法
「彩月」

二人は夕食の買い物に行き一緒に食事をとった後、順番にシャワーを浴びて、今は同じベッドに腰かけている。

彩月は、駿太郎に借りたブカブカのスウェットの上下を着ており、濡れた髪は駿太郎と同じ香りを漂わせている。

「駿太郎」

再び、二人の唇が重なる。さっきとは違い、舌を絡める大人のキスだ。

25歳とはいえ、自分にしか興味のなかった男と、恋も知らずに過ごしてきた女。

何もかもが初めての感情。初めての経験。

「ごめん。俺慣れてないから優しくできないかも」

「私も同じだよ。だけど、本音は慣れてなくて嬉しい」

微笑んだ駿太郎に彩月の顔と体が真っ赤に染まる。

「俺のものになって」

「駿太郎も」

彩月の耳元から首筋に向かって駿太郎の唇が動いていく。

こんなにも愛しいと思う気持ちは、この先もお互い以外には感じられないと思える。

思いと体を重ねた二人は、初めての暖かい感情に包まれて夜を越した。
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