無感情なイケメン社員を熱血系に変える方法
仕事が終わった19時過ぎ。ウィングライフスポーツをあとにした。

現在、彩月と駿太郎は、品川にある羽生ゴーポレーション本社ビルに来ていた。

向かうは社長室。エレベータを降り、ドアを開けると翔一朗が待っていた。

「やっぱりお前も来たか」

彩月の隣にいる駿太郎をみて翔一朗が苦笑する。

「入って」

翔一朗は二人を社長室に案内した。

「あら、この方が彩月さん?」

そこには何故か駿太郎の母である由子と妹の真由香もいた。

「どういうつもり?」

羽生家勢揃いのこの状況。くしくも全員が揃うのは7年ぶりだ。

「どういうつもりって、高校卒業してから全然実家に帰って来ない駿太郎と、その指導者に会うために決まってるでしょう」

母・由子はフフンと鼻をならしながら言った。

「彩月さん、きれいな人ね。パパと翔一朗兄さんから聞いてたけど、本当にスタイル良くて、スポーツできる感じ」

真由香も興味津々といった感じだ。

「はじめまして。ウィングライフスポーツの販売員兼スポーツインストラクターの伊藤彩月です。駿太郎さんとは同期で、現在一緒にお仕事させてもらっております」

彩月はスポーツマンらしくハキハキと挨拶をした。
< 55 / 89 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop