無感情なイケメン社員を熱血系に変える方法
翌週、二人はウィングライフインテリアとウィングライフスポーツに、それぞれ出勤した。

彩月と英語の猛特訓をしたとはいえ、駿太郎の英語力は日常会話程度。早速、スタッフとのコミニュケーションに支障が生じた。

元々無表情な上、言葉数も少ない駿太郎は、初日から完全に孤立していた。

『いくらボスの息子とはいえ、コミニュケーションがとれないんじゃ、助っ人どころか足枷じゃない?』

ウィングライフスポーツのスタッフに挨拶を済ませ、向かい側にあるウィングライフインテリアに足を運んだ彩月の耳に、こそこそとないしょ話をする女性スタッフの言葉が耳に入った。

レジのところに無表情で立ち尽くす駿太郎に、早口で捲し立てる店長の姿が目にはいる。

『なにかトラブル?』

『ああ、サツキ来てたのね。あなたの彼、英語できないの?あれじゃあ仕事にならないと思うわよ』

大袈裟に両手をあげる女性はリンダ。先日、二人にインテリア家具を手配してくれた女性だ。

『店長が何を説明しても返事をしないの。さっきからバカにしてるのかって店長も怒ってるわ』

彩月は、教えてくれたことに対してリンダにお礼をいうと店長と駿太郎に近づいていった。
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