高桐先生はビターが嫌い。

…………


「じゃあね。今日はありがとう」

「うん。じゃあ気をつけて」

「うん、またね」



その後はレストランを後にすると、あたしは今日は例のアパートには行かずに、マンションの近くにあるコンビニまで送ってもらった。

ヒトシ君は車を持っていないから、今日は二人とも歩きで。

本当はヒトシ君が「家まで送るよ」と言ってくれたけど、あたしは「コンビニで寄り道がしたいから」とそれを断った。



「…ふー、」



ヒトシ君と別れたあと。

あたしは、一息ついてやっとコンビニに入る。

レストランで食事をしたばかりだから、今はもちろんお腹いっぱいだけど、今のうちに明日の朝ごはんやお菓子を買っておきたくて。

見慣れたコンビニのなか。

店の奥に進むと、あたしは大好きなお菓子から、まずはカゴに入れていく。

ついでに大好きなアイスも買って、あとは朝ごはんの菓子パンを。

そう思って、場所を移動したら…



「…あれっ」

「!」



その時。

ふいに近くから、聞きなれた声がして。

振り向けば、お惣菜コーナーに、高桐先生が立っていた。



「!…先生っ…」
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