一途な御曹司に愛されすぎてます
 康平の家族は、単純にああいうキツイ性格だっただけかもしれないし。

 だったら、彼が『運命』とまで言い切ってくれた私たちの出会いを、ただの綺麗な思い出として胸の中に収めてしまっていいんだろうか。


 ふたりの間に芽生えた関係を育ててみたいという気持ちと、それは楽天的すぎるだろうという相反する気持ちが、胸の中で激しくせめぎ合っている。

 本当に私、どうしたらいいんだろうか……。


 いくら考えても迷いは晴れないし、このまま窓に額をくっつけたまま雨を睨んでいても埒が明かない。

 ノロノロと身支度を整えた私は部屋を出て、朝食を摂るためにレストランへ向かった。


 ビュッフェのコーナーからチョイスした彩り鮮やかなグリーンサラダや、カットチーズや、ふわふわのフレンチトーストをホテル自家製バターを添えて食べているうちに、少し気分が浮上する。


 本当にお世辞じゃなく、このホテルの食事は素晴らしく美味しい。

 特に乳製品は絶品だ。ぜひ美千留にお土産に買って帰らなくちゃ。
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