一途な御曹司に愛されすぎてます
反論しようと口を開いた階上さんが、そのまま眉尻を下げて小さく息を吐く。
その様子を見て、ディナーのときに彼が言っていた言葉を思い出した。
『祖父や父の代からグループを支えてきた人たちにとっては、私は悠希お坊ちゃまでしかない』
たしかに役員らしき男性は、階上さん相手に生徒を諭している教師か、親戚の口うるさい叔父さんみたいな顔をしている。
「そもそも、ロイヤルスイートに泊まっている女性はどこの誰なんです? 矢島淳美だなんて名前の女性は、業界の交遊録に見当たりませんが?」
あからさまに私のことを『いったいどこの馬の骨か?』と詰っている口調に、心臓が嫌な音をたてた。
役員の男性の顔つきが、康平の家族が私を見ていたときの表情とまったく同じだ。
ますます不安に苛まれる私の耳に、階上さんの露骨に不愉快そうな声が聞こえた。
「個人的な知り合いだ。彼女について詮索するのはやめてくれ」
「私が専務に紹介した銀行家のお嬢さんとは、会っていらっしゃるんですか? 常務の親戚の議員のお嬢さんとは? 全日本ホテル協会長のお孫さんとは、その後どうなりました?」
銀行家のお嬢さん? 議員? 全日本ホテル協会長?
次から次へと上げられるハイクラスな肩書の羅列に怖気づいてしまう。
その様子を見て、ディナーのときに彼が言っていた言葉を思い出した。
『祖父や父の代からグループを支えてきた人たちにとっては、私は悠希お坊ちゃまでしかない』
たしかに役員らしき男性は、階上さん相手に生徒を諭している教師か、親戚の口うるさい叔父さんみたいな顔をしている。
「そもそも、ロイヤルスイートに泊まっている女性はどこの誰なんです? 矢島淳美だなんて名前の女性は、業界の交遊録に見当たりませんが?」
あからさまに私のことを『いったいどこの馬の骨か?』と詰っている口調に、心臓が嫌な音をたてた。
役員の男性の顔つきが、康平の家族が私を見ていたときの表情とまったく同じだ。
ますます不安に苛まれる私の耳に、階上さんの露骨に不愉快そうな声が聞こえた。
「個人的な知り合いだ。彼女について詮索するのはやめてくれ」
「私が専務に紹介した銀行家のお嬢さんとは、会っていらっしゃるんですか? 常務の親戚の議員のお嬢さんとは? 全日本ホテル協会長のお孫さんとは、その後どうなりました?」
銀行家のお嬢さん? 議員? 全日本ホテル協会長?
次から次へと上げられるハイクラスな肩書の羅列に怖気づいてしまう。