一途な御曹司に愛されすぎてます
 それは真珠をあしらった、とても美しい指輪だった。

 大粒のパールの脇に、大小様々なパールがバランスよく配置され、ピンク色の水晶やメレダイヤを使ったブーケみたいなデザイン。

 その可憐な透明感と清楚な美しさに引き込まれて、声も出ない。


「キミと初めて出会った階上の里の雪景色をイメージして作ってもらったんだ。あと、桜もモチーフにした」


 そう言われればたしかに、パールに添えられたメレダイヤの細やかな輝きが、純白の雪が光を反射しているように見える。


 桜は、彼から届いたメッセージの象徴だ。ピンクの水晶で形作られた桜の初々しさが、あのとき感じた感動を鮮やかに思い起こさせた。


「さあ、つけてごらん。遠慮しないで」

 夢見るようにぼうっとしていた私は、その言葉で我に返った。

「こんな高価な物、受け取れません」


 私は宝石の価値なんてまるでわからないけれど、これが普通に流通しているクラスの品じゃないことぐらいは、見ればわかる。
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