一途な御曹司に愛されすぎてます
「疲れたろう? そこに座って休もう」

 ふたり掛けのソファーに一緒に座ると、籐製の丸テーブルの上にシャンパンクーラーが置かれていて、シャンパンが一本冷えている。


 階上さんは慣れた手つきでワイヤーを外し、慎重にボトルを回しながらガスを解放して栓を抜いて、ロゼ色の液体をグラスに注いだ。


「再会に乾杯」

 ふたりでグラスを軽く掲げて、口に運ぶ。

 ベリー系の甘い香りと豊潤な花の香が同時に口腔に広がり、ふわりと鼻腔に突き抜ける。

 舌を叩く細やかで繊細な泡が快感だ。


「ちょっと失礼」

 そう言って立ち上がった階上さんは、テレビボードの下の引き出しの中から、なにかを取り出して戻ってきた。

 私の隣に腰掛けながら、手の中の白くて四角い小さな箱を無造作に突き出す。


「キミへのプレゼントだ」

「プレゼント?」


 彼の手によって開けられた箱の中身を見た瞬間、私の喉の奥から変な音が飛び出て、慌てて口元を手で覆った。
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