一途な御曹司に愛されすぎてます
「こ、この指輪って私の指のサイズにピッタリですね」

 私はぎこちなく笑いながら、牽制の意味を込めて彼の目の前に右手を突き出した。


「キミの指のサイズなら知っている。何度も手を握ったからな。こんな風に」


 そう言って彼はいきなり私の右手を掴んで引っ張った。当然、私の体は彼の方へ引き寄せられていく。

 あっと思った瞬間にはもう、私は彼に強く抱きしめられていた。


「あの日、俺をホテルに置き去りにした償いをしてもらう」


 耳元で静かに囁かれ、体中の血が燃えるように熱くなった。

 全身を固くして息を呑む私の耳に、セクシュアルな声が忍び込んでくる。


「今夜、俺が知らないキミのすべてを見せてくれ」


 破裂しそうに心臓が轟く。

 頬に触れる胸の厚さと背中に感じる腕のたくましさ。仄かに香るスパイシーなフレグランス。

 そのすべてが私の鼓動を逸らせ、頭を白く染めていく。

 私の後ろ髪を優しく撫でる指先がゆっくりと前に動いて、軽く顎を持ち上げた。
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