一途な御曹司に愛されすぎてます
 眩い夏の光と影のコントラスト。風に揺れる緑が放つ濃厚な香り。鳥のさえずりさえ天上の音楽のようだ。

 この美しさ。この神秘性。……とても現実の世界とは思えない!

 ひたすら圧倒されて意識が半分飛びそうになっている私の耳に、笑いを含んだ声が聞こえる。


「気に入ったか? ここは今頃の時期が一番綺麗なんだよ」

「まるで、おとぎ話の世界に迷い込んだ気分……」


 掠れ声でそう答えるのがやっとな私の様子に、悠希さんはとても満足そうだ。


「ホテルのモデルになった古城の近くに、こういった緑のトンネルが実際あるんだ。ここの木立にちょっと手を加えて、その場所を再現してみた」


「こんな幻想みたいに綺麗な場所が現実に存在しているの?」


「そう。何百年も前から伝えられる、シンデレラ・ストーリーと一緒にね」


 シンデレラ?

 夢うつつを彷徨っていた私は、その言葉でようやく意識が少しシャンとした。

 隣で大きく背伸びしながら深呼吸している悠希さんに、興奮冷めやらぬ声で聞く。
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