一途な御曹司に愛されすぎてます
 私も、未知の世界に飛び込んだ歴代のシンデレラたちに負けないよう、堂々と胸を張って歩いて行く。

「淳美、おいで。もっと先へ進もう」

 悠希さんがトンネルの先へと私を促した。

 この先になにがあるのかわからないけれど、お互いを信じているから大丈夫。

 ふたり一緒なら、きっと迷わない。


 煌めく木漏れ日や、木々の合間から差し込む夏の日差しに揺らめく緑のグラデーション。

 遠い道の先から聞こえる小鳥のさえずりと、柔らかな風の誘い。

 夢のような世界だけれど、これは現実。

 そしてきっと奇跡を凌駕するほど素晴らしい世界が、私たちを待っている。


 繋ぎ合う手に力を込め、ガラスの靴を履いた私たちは、しっかりと地面を踏みしめて歩き始めた――……。


   【END】
< 237 / 238 >

この作品をシェア

pagetop