一途な御曹司に愛されすぎてます
 あのときも美千留はずいぶん心配してくれたし、縁がなかったんだよと言って何度も慰めてくれた。

 私と康平が別れたことが周囲に広まって、陰で『シンデレラのなりそこない』と揶揄する人もいて、怒った美千留がその人に抗議してくれたりもした。

 ずっと励まし続けてくれた彼女のおかげで、私は冷静に自分自身の気持ちを整理することができたんだ。


 シンデレラなんて所詮、おとぎ話だ。

 たしかに平民が王室に嫁ぐ時代ではあるけれど、それはシンデレラが目の覚めるような美女だったり、目から鼻に抜けるような才女な場合だけ。


「身分も美貌も特技もない私なんかが、常識で考えてシンデレラになれるわけがないよね」


「淳美、自分を『なんか』って決めつけるのはよくないよ」


 私の隣の椅子に腰かけ、しかめっ面で諭してくる美千留に笑いながら答えた。


「べつに卑屈な気持ちで言ってるわけじゃないの。単純に事実を事実として受け止めてるだけ」
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