一途な御曹司に愛されすぎてます
 バスから降りる私たちをドアスタッフの極上の笑顔が迎えてくれる。

「うわあ……素敵」

 ホテルを見上げながら、つい口に出してしまった。

 西洋のお城といえば誰もがイメージするであろうとんがり帽子の塔と、白い壁と、紺色の屋根。赤と黒のお洒落な窓枠。

 これぞまさしく女子心をくすぐるグリム童話のお城といった感じで、本当にここは日本なのかと思ってしまう。

 期待通りの外観に心を踊らせながらホテルの中に一歩踏み込んだ私は、大きく両目を見開いてそのまま立ち竦んでしまった。


 なんて豪華なロビー!


 薄曇りの空のような色合いの総大理石の床に、淡いクリーム色の壁を飾る優美なレリーフ。

 驚くほど高い天井には、澄んだ輝きを放つ豪華なクリスタル製シャンデリア。

 そして、すべての柱や扉の縁を大量に彩る繊細な金細工。

 凄すぎる! 美千留が一緒だったら、ふたりで手を取り合ってキャーキャー叫びまくっていたかもしれない!
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