一途な御曹司に愛されすぎてます
 艶やかな黒髪。見るからに意志の強そうな目。スッキリ通った鼻筋の面差しは彫りが深くて華やかで、男性ながら『美しい』という形容がぴったり。

 均整のとれた肩幅の広い体型はモデルばりにスタイルが良くて、まるで彫像が立っているかのようだ。


「プレオープンにあたり、ぜひともご挨拶を申し上げたく馳せ参じました。当ホテルでのご滞在が、どうか皆様の心を癒す特別なひと時となりますように」


 彼の言葉を聞いて、私はさらに両目を大きく見開いた。

 あの和紙に書かれたメッセージと同じ言葉だ! ということは、やっぱりこの人が専務さんなんだ!


 すっかり驚いた私は口をポカンと開けたまま、上品な微笑みを浮かべている若き専務さんの姿を凝視した。

 まさか大企業の取締役員が、こんなに若い男性だなんて思ってもみなかった。てっきりおじさんな年齢……いや、おじいちゃんだとばかり思い込んでいたから。

 しかも超がつくほどイケメンさん。正直言って、こんなにカッコイイ人は俳優さんでも見たことがありません。


「皆様、まずはチェックインをお願いいたします」

 深々と頭を下げた専務さんの挨拶が終わって、ホテルスタッフたちが機敏に動き始めた。
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